2009年 11月 30日
映画「海の沈黙」 |
口頭弁論と報告集会が終わってから、京橋にて「海の沈黙」の試写。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の1947年の処女作で、原作はドイツ占領下に地下出版されたヴェルコールの小説。
ドイツ占領下のフランスの地方都市で老人と姪が暮らしている家に、ドイツ軍将校が同居した半年間の生活を描いている。将校は悪役ではなく、フランス文化を尊敬する人物という設定だが、
老人と姪は、将校がどんなに話しかけても毅然として沈黙を守ることで、占領への抗議の意志を示す。
しかし休暇中にパリの街で戦友と言葉を交わしたことをきっかけに、将校はドイツ軍のやっていることに対して良心の呵責を感じるようになり、破滅的な選択を自らに課す。
その時初めて老人と姪は、彼に対していたわるかのように言葉を発してしまう。
本邦初公開となる本作は、ヌーヴェル・ヴァーグの先駆的作品と言われているらしいが、
物語の主軸となっているテンションの高い沈黙(まるでこだま和文のトランペットのようだ)には、ルイ・マルの「鬼火」を連想した。
占領下に、占領相手への人間的な眼差しを込める余裕が、自国の文化的なプライドの高さから生まれているのが、いかにもフランスらしい。
2月20日から岩波ホールにて上映。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の1947年の処女作で、原作はドイツ占領下に地下出版されたヴェルコールの小説。
ドイツ占領下のフランスの地方都市で老人と姪が暮らしている家に、ドイツ軍将校が同居した半年間の生活を描いている。将校は悪役ではなく、フランス文化を尊敬する人物という設定だが、
老人と姪は、将校がどんなに話しかけても毅然として沈黙を守ることで、占領への抗議の意志を示す。
しかし休暇中にパリの街で戦友と言葉を交わしたことをきっかけに、将校はドイツ軍のやっていることに対して良心の呵責を感じるようになり、破滅的な選択を自らに課す。
その時初めて老人と姪は、彼に対していたわるかのように言葉を発してしまう。
本邦初公開となる本作は、ヌーヴェル・ヴァーグの先駆的作品と言われているらしいが、
物語の主軸となっているテンションの高い沈黙(まるでこだま和文のトランペットのようだ)には、ルイ・マルの「鬼火」を連想した。
占領下に、占領相手への人間的な眼差しを込める余裕が、自国の文化的なプライドの高さから生まれているのが、いかにもフランスらしい。
2月20日から岩波ホールにて上映。
by shida-a
| 2009-11-30 01:08
| 映画